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Jul. 31. 2020

【YouTube】EMATYTEブランド解説 制作の全工程をデザイナーが行うハンドメイドシューズ

今回は好評いただいてます、アルチザンブランドの解説シリーズ。 ご紹介するのはこちら。     イタリアのハンドメイドシューズブランド「エマタイト」についてご紹介させていただきます。   靴作 […]

【YouTube】EMATYTEブランド解説 制作の全工程をデザイナーが行うハンドメイドシューズ

今回は好評いただいてます、アルチザンブランドの解説シリーズ。

ご紹介するのはこちら。

 

 

イタリアのハンドメイドシューズブランド「エマタイト」についてご紹介させていただきます。

 

靴作りにおける全ての工程をデザイナーが自らハンドメイドにて行う「EMATYTE」

国内でも限られた店舗のみの取り扱いとなるEMATYTEの靴は、店頭価格で20万円以上。

決してお手頃な靴ではありません。

彼の作る靴を一言で表すと「哲学」です。

店頭価格で20万円以上する彼の靴は、何が特別なのか?

そして、EMATYTEの哲学とは?

今からお話していきます。

 

 

まずは、デザイナーのご紹介から。

デザイナーは、イタリア人のGBRIELE CALVETTI

(ガブリエル・カルベッティ、クラベッティとも呼ぶかもしれません)

 

年齢は、30代前半とデザイナーとしてはまだ若い方です。

本当は、デザイナーの画像が欲しかったんですが、

ブランド公式としてのデザイナー写真を出していないので、画像が手に入りませんでした。

パリで会ったことあるんですが、ドレッドヘアーでカッコいいです。

そして優しいです。

 

ガブリエル氏の経歴としては、イタリアの服飾学校を卒業後に

テーラーに勤め服作り(サルトリア)を学び、

その後、モードブランドにてファッションビジネスを学んでいます。

 

靴の職人と一緒に仕事をしたのがきっかけで靴作りに情熱を覚え、

のめり込む事によって、その後、独学で靴作りを学んでいます。

 

 

そして、2015年にEMATYTEを設立。

現在、イタリアのトスカーナ州のキャンティ地方の山の中に自宅兼アトリエを構えています。

そこで靴を日々製作しています。

 

 

ブランド名のEMATYTEとは鉱石のことです。

日本語だとヘマタイトまたは赤鉄鋼ともいわれます。

こちらはEMATYTEに制作してもらったスペシャルな靴べらがあるんですけど、

ここにつけられているのがエマタイトの鉱石です。

 

ちなみにこの靴べら鉄を叩いて作られているんですが、

重さは約1,5kg、もはや武器です。

EMATYTEのショールームとHUESだけの世界で2本のみの靴ベラです。

実物を見たい方は、店頭にご来店ください。

話を戻しまして、このエマタイトという石は、

古代ローマでは、軍神マルスの守護を得られる「勝利へ導く石」とされ、

また、過去との決別、輝く未来へと導いてくれる石と言われています。

あと、生命という石言葉も持っていまして、

持ち主の生命力を高めるとともに勇気と自信をもたらし、精神と肉体、霊性を調和させます。

グラウンディングと保護力にも優れ、持ち主をしっかりと肉体に根付かせると共にネガティブな要素を解消します。

 

何だか、占いみたいな怪しい話になってしまいましたが、

そのような意味合いを持つ石の名前から「EMATYTE」のブランド名がつけられています。

 

次に、EMATYTEの靴作りについてお話します。

特徴的な部分だけピックアップしてお話していきます。

EMATYTEでは、靴作りにおける全ての工程をデザイナーであるガブリエル氏が自ら手作業で行っております。

 

特徴的なのは、素材となる革を約3ヶ月寝かせるところから始まります。

鞣された革は、暗く光が入らない蔵の中で、適切な湿度を加えながら、

経年させていくことで、より深い色が出てくるそうです。

革は日光に直接当てると革の色が抜けてしまうので月明かりだけ当てて、朝には蔵にしまうそうです。

そうやって、革に自然なエイジングを施すことから彼の靴作りは始まります。

 

 

そして、素材についてもう一つ。

EMATYTEは全て自身がハンドメイドで制作するので、どんな革でも靴に使用する事ができます。

例えば、こちら、象革です。

象革の靴なんて見た事ありますでしょうか。

象の革って、厚みがあったりして加工が大変なんです。

なので、プロダクトとしてあってもお財布や小さなバックだったりするんですがEMATYTEは、その革で靴を作ることができます。

革の厚さを削いだり、吊り込みを手作業でするからこそ作れる靴です。

EMATYTE ELEPHANT LEATHER SHOES

 

ちなみに象の革を輸入する際は、経済産業省に正式に許可を取って輸入させないといけないので、かなり大変です

そう言った意味でも貴重な革ですね。

 

 

そしてEMTYTEならではの革についてもっと分かりやすいのが、例えば、ソールに使われる革。

アッパーに使われる革って、結構いろんな種類の革が市場に出回っているんですが、

ソール用の革はどのブランドも既存のソール用に作られた革を使ってシューズを制作しています。

ですが、EMATYTEはデザイナーが気に入ったレザーをソール用に用いています。

ガブリエル氏がレザーを削いだり強度を与えたり革を加工する事ができるので

ソールもEMATYTEだけのソールを完成させています。

 

次に染色。

EMATYTEでは、デザイナー自らが手作業にて色入れを行ったりします。

こちらの靴は、顔料を手作業で塗り込むことでものムラ感ある色合いに仕上げています。

さらに、多めに顔料を塗り込む事で少しメタリック感ある艶が出た革の表情に仕上げています。

 

また、こちらの象革は、靴の制作完了後にオブジェクトダイを施して、この独特なブラックに仕上げています。

 

 

そしてブランドのアイコン的な特徴的なのが、EMATYTEならではのグッドイヤーウェルト製法。

靴のソールの付け方で代表的なのがグッドイヤーウェルト製法とマッケイ製法というやり方がありまして、

話が長くなるので、乱暴にすごく簡単にいうと、

アッパーとソールを直接縫うのがマッケイ製法。

そしてウェルトと呼ばれるコバの部分を取り付けて縫うのがグッドイヤーウェルト製法です。

グッドイヤーは、長所として足馴染みが良く、強度もあり、雨に強いなどの実用性があります。

その代わり、短所として作るのに手間と技術がかかり、その分、お値段も高くなります。

 

エマタイトのシューズは、グッドイヤー製法で作られているかいいというわけではくて、

(もちろんそれもいい所なんですが…)

そのグッドイヤー製法の仕上がりにあります。

通常、グッドイヤー製法で作られる靴は、コバを持ちます。

例えば、当店で取り扱いある靴でこのFEITのレザーシューズが分かりやすいです。

縫い目が見えるところがコバの部分です。

そして、こちらがEMATYTEの靴。

分かりますでしょうか、グッドイヤーなのに縫いがないです。

実は、これですね、コバとアッパーの内側で縫ってあるんです。

これ凄く難しいやり方です。

グッドイヤー製法で作られているのにマッケイ製法みたいな見かけにしてあります。

 

何で、わざわざ?って思ってる方も多いと思いますが、大丈夫です。

順番にご説明していきますので、今は、そうなんだ位に思ってもらえればそれでOKです。

 

 

最後に、ウッドネイルと呼ばれる木の釘を用いる伝統的な手法。

ソールを固定するのに鉄の釘では無く、木の釘を打ち込みソールを固定しています。

穴になっているところがそうです。

5cmほどの木の釘を打ち込んで、はみ出した部分を切っています。

そうする事で、履き込むうちに、ウッドナイルが水分を含み、

中で膨らみ、ソールを固定させます。

 

その他にも制作に関しては色々やってるんですが、

代表的な素材、染色、グッドイヤーウェルト製法、ウッドネイルについてお話しさせていただきました。

手間暇かけて作られているのがご理解いただけたかと思います。

ガブリエル氏は、何故そこまで時間と技術を費やした靴を作るのか?

 

EMATYTEを理解する上で一番重要なのは、この部分です。

ガブリエル氏からの答えは、こちらです。

 

「イカが死んだときのように、その骨だけが残り、それが魂です」

 

??

 

大丈夫です。

僕もはじめこれを聞いた時、全く理解不能でした。

この言葉は、イタリアのノーベル賞詩人E・モンターレの処女詩集

「烏賊の骨」の一文だと思います。

 

そして、彼は、こう続けています。

 

「私は可能な限り純粋なデザインを達成するというコンセプトから始めて、

余分なもの、過剰なもの、そして目的の役に立たないものをすべて排除しました」

 

 

そう、彼のコンセプトは、純粋なデザインなんです。

デザインと言っても装飾や変形などの過剰なデザインではなく、物事の本質としてのデザイン。

実用的な機能を持つために複雑に組み立てられた上で、一切の無駄を排除した純粋なデザイン。

 

グッドイヤーなのにマッケイのように、コバに縫い目をみせないのは、

そんな彼のデザインコンセプトそのもの。

グッドイヤーウェルト製法の靴としての機能を最大限持たせながらも、それを外側に一切見せない作り方。

 

機能を持たせるために手間と技術を費やした内側は、

外からは分かりませんが感じることはできます。

 

ですので、先の烏賊の話は、

魂は、内側に、つまり構造にあるということの例えです。

 

アルチザンブランドはハンドメイドの技術や跡を

そのままデザインとして採用する事が多いのですが、EMATYTEは真逆のデザインコンセプト。

 

ある意味では、アート的です。

 

アートと言えば、ガブリエル氏の父親が画家だという話を思い出します。

カブリエル氏は幼少期からアートとしての見方が養われていたのかもしれません。

 

工芸品や民芸品という庶民のための「モノ」に美しさを求める。

それが、今日のデザインという概念につながっていったと言われています。

 

ガブリエル氏は、古代より制作物として存在している履き物という工芸品の本質を追い求め、

完璧な美しさを目指して靴を制作しています。

 

彼は、それを旅だと言います。

 

そして、靴は時間を超えた工芸品なので時間を超越すると言います。

 

このシンプルな美しさの背景にある手間や時間、そしてガブリエル氏の哲学を

是非、履いて感じてみてください。

 

 

少しでもEMATYTEというブランド、そして彼が作る靴の魅力が伝われば幸いです。

 

 

是非、一度ご来店ください。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

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