
本日もGeoffrey B. Smallの2025年春夏コレクションからご紹介を。
ITEM:1920's reversible 5-button welt diagonal pocket tailored blouson jacket
FABRIC:hand dyed Varese 100% linen
COLOR:hand dye grey
SIZE:M,L
1940年代後半から50年代初期のアメリカンテーラリングに着想を得た、Geoffrey B.Smallによるショートジャケット。
クラシカルなノッチドラペルや5ボタンフロント、そしてフロントと内側に配されたベスムポケットといったディテールには、
時代を超えて継承されてきたテーラードウェアの美意識と機能性が自然に宿っています。
裏地や内仕立てもすべて共布で裏打ちされ、見えない部分にまで手仕事の丁寧さが行き届いています。
使用されているのは、イタリア・ヴァレーゼ地方で織られた上質なピュアリネン。
ヴァレーゼは高級天然繊維の産地として知られており、このリネンはその中でも特に繊細で、しっとりとした柔らかさが特徴です。
リネンにありがちなざらつきや粗さは一切なく、肌に吸い付くような感触と、控えめながら上品な光沢が魅力。
ジャケット全体に深みと静かな存在感をもたらしています。
裏地には、コモ湖周辺に工房を構える老舗「Tessitura Mauri」による上質なキュプラを使用。
袖を通した瞬間に感じる滑らかさと軽さが、極上の着心地を演出します。
このジャケットの真骨頂ともいえるのが、Geoffrey独自の染色技術によるハンドダイ。
温度や染料の濃度、染めにかける時間まで、あらゆる工程を職人の手で細かく調整し、10時間以上かけて仕上げられる色は、工業的な再現性とは異なる一点ものの表情を持ちます。
微妙な濃淡や色ムラにこそ、手染めならではの豊かさと温度が宿ります。
また、ボタンにはイタリア・パルマの名門「Fontana社」によるリアルホーン(水牛角)を採用。
ボタンホールはミラノ製のピュアシルク糸を用い、ひとつずつ丁寧に手かがりで仕上げられています。
ブランドラベルに至っても、化学繊維を一切使用しないピュアシルク製で、手作業で縫い付けられています。
細部に至るまで、素材と手技への徹底したこだわりが感じられる仕様です。
続いて着用感を。
実際に袖を通してみると、まず感じるのはその軽さと柔らかさ。
重厚な外見とは裏腹に、驚くほど軽やかで、身体の動きに自然と寄り添います。
シルエットはトレンドのオーバーサイズでもなく、タイトなラインでもない、まさに“ちょうどよい”バランス。
だらしなく見えることのない絶妙なゆとりがあり、羽織った瞬間に整う美しさがあります。
着丈は比較的すっきりと設計されており、小柄な方でもバランスよく着こなせるのも魅力のひとつ。
サイズはMとLの2サイズ展開で、体格を選ばず、多くの方にフィットする設計です。
ハンドメイドならではの温もりと、日常に溶け込む着やすさ。
そのふたつを同時に成立させることは、決して簡単ではありません。
しかしこのジャケットは、その両方を実現しています。
肩肘張ることなく自然に羽織れる軽さ、けれども決して通り過ぎない強さ。
Geoffrey B.Smallが提案する、“本質的な贅沢”を静かに、しかし確かに感じることのできる一着です。
皆様のご来店並びにご連絡をお待ちしております。
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