今日はY'S FOR MEN 2026年秋冬コレクションのアイテムからご紹介を。
Y's for menには定番として長く作られ続けているパンツがあります。
ワイドパンツやカーゴパンツ、ストレートパンツ。
どれも普段のスタイリングに取り入れやすく、多くの方が最初の一本として選ばれるモデルです。
そんな定番とは少し違う立ち位置にあるのが、今回入荷したニッカボッカパンツです。
Y's for men /WOOL GABARDINE KNICKERBOCKERS/90,200-
一見するとボリュームのあるワイドパンツですが、穿くと印象はまったく異なります。
腰回りにはゆとりを持たせながら、膝下からゆっくりと細くなる独特のライン。
昔ながらのニッカボッカを思わせるシルエットですが、土臭さやクラシックな雰囲気はありません。
むしろ今見ると新鮮です。
ワイドパンツほど広がらず、テーパードパンツほど細くない。
その中間にあるような絶妙なバランスが、このパンツならではです。
素材には、ヨウジヤマモト社を代表するウールギャバジンを使用。
仕上げ工程でセット性を弱めることで、生地に自然なシワとシボ感を残した定番素材です。
新品の状態からどこか着慣れたような柔らかさがあり、着込むほどにさらに身体へ馴染んでいきます。
もちろん、この素材の良さは質感だけではありません。
歩くたびに生地が揺れ、止まるとすっと落ち着く。
黒一色でも単調に見えないのは、この生地の動きがあるからです。
ニッカボッカという個性的な形も、このウールギャバジンだからこそ自然にまとまっています。
ディテールは非常にシンプル。
フロントはすっきりとしたノータック仕様。
腰回りは余計な装飾を抑え、ベルトループをやや大きめに設計することでさりげないアクセントを加えています。
左右にはスラッシュポケット、ヒップにはフラップポケット。
さらに右脚には低めの位置にカーゴポケットを配置。
カーゴポケットといっても収納力を誇張するようなデザインではなく、全体のシルエットを崩さない控えめなサイズ感です。
実際に穿いてみると、このポケットが横から見た時の立体感を少しだけ強調してくれます。
派手ではありませんが、シンプルな黒いパンツだからこそ効いてくるディテールです。
穿いた時にまず感じるのは、腰回りの余裕。
そこから膝にかけて大きく丸みを描き、裾へ向かって自然に細く収束していきます。
歩くと裾だけが揺れるワイドパンツとは違い、このパンツは太腿から膝までの布がゆっくりと動きます。
前から見るとボリュームがありますが、横から見ると意外なほどすっきりしています。
この見え方が面白いところです。
Y's for menのワイドパンツは、裾まで分量が続くことで力強いラインを作ります。
一方、このニッカボッカは布を足すのではなく、丸みを作ることで存在感を出しています。
だから長丈のコートやジャケットを羽織っても重たくなりすぎません。
ショート丈のブルゾンを合わせれば膨らみのあるシルエットが際立ち、ロングシャツを重ねれば裾から覗く丸みが全体に柔らかさを加えてくれます。
写真では特徴的なパンツに見えるかもしれません。
ですが実際に穿いてみると、不思議なくらい馴染みます。
ワイドパンツほど大げさではなく、細身のパンツほどシャープでもない。
その曖昧さがあるからこそ、トップスを選ばず合わせられます。
カットソー一枚でも様になり、同素材のジャケットを合わせれば肩の力が抜けたセットアップとして楽しめます。
定番のワイドパンツをすでにお持ちの方なら、次の一本としてきっと新鮮に感じていただけるはずです。
黒いパンツでありながら、歩いた時の見え方も、立った時の輪郭も少し違う。
大きく主張する服ではありません。
それでも穿き続けるうちに、気付けば手が伸びている。
そんな一本です。










