今日はこちらのパンツをご紹介します。
ITEM :WOOL GABARDINE BALLOON PANTS HW-P08-100
PRICE : ¥82,500 (in tax)
SIZE : 2.3
FABRIC : ウール100%
ヨウジヤマモトの服を長く見ていると、不思議と定期的に店頭へ戻ってくる服があります。
新作ではありません。
話題になる服でもありません。
展示会で最初に目を引く服でもない。
それでも気付けばまた穿きたくなり、また探してしまう。
バルーンパンツもそんな一本です。
袴パンツやカラスパンツ、ラップパンツ。
ヨウジを代表するパンツはいくつもあります。
ただ、実際に何年も着続けている方のワードローブを思い返すと、最後まで残っているのはバルーンパンツだったりします。
決して派手ではありません。
けれど、気付けば穿いている。
そんな服です。
今回入荷したのはウールシワギャバジン仕様。
この組み合わせを見ると少し安心します。
ヨウジヤマモトを見続けてきた方なら分かるかもしれません。
バルーンパンツも素材が変われば別の服になります。
コットンにはコットンの良さがありますし、リネンにはリネンの面白さがあります。
ただ、シワギャバになると独特です。
歩いた時の揺れ方が違います。
裾が動き、生地が少し遅れて付いてくる。
立ち止まると自然に沈み込み、その瞬間に形が完成する。
穿いている時よりも、歩いている時の方が良く見えるパンツかもしれません。
昔からシワギャバが特別視されてきた理由も、その辺りにあるような気がします。
バルーンパンツという名前だけ聞くと、丸いシルエットを想像します。
もちろん間違いではありません。
ただ実際は丸いというより、分量が収束していくパンツです。
腰回りにはたっぷりと生地があります。
それが裾へ向かって少しずつ集まり、最後に足元で形を作る。
そのため太いのに重く見えません。
むしろ歩くと縦の流れが強調されます。
大きい服なのに、どこか鋭さが残る。
ヨウジの服にはそういう矛盾がよくあります。
昔のコレクション写真を見返していると、ときどき似た感覚に出会います。
90年代後半から2000年代初頭頃でしょうか。
身体のラインを整えることよりも、生地がどう落ちるかを優先していた時代です。
もちろん同じ形ではありません。
それでも布を余らせる感覚や身体との距離感には、どこか共通したものがあります。
面白いのは、その見た目に反して合わせる服を選ばないことです。
ロングジャケットにも合います。
短いブルゾンにも合います。
シャツ一枚でも成立します。
冬に厚手のニットを重ねても収まりが良い。
穿き込むほど着合わせを考えなくなるパンツです。
だからなのかもしれません。
初めてヨウジを購入される方が選ぶこともあれば、十年以上着ている方が買い直されることもあります。
店頭で見ていると、その両方が自然に起きています。
新しいから選ばれるわけではない。
珍しいから残っているわけでもない。
何度も作られ、何度も穿かれ、その度に少しずつ理由が見えてくる。
バルーンパンツは名作という言葉よりも、基準という言葉の方がしっくりきます。
昔から変わらないように見えますが、実は少しずつ変わっています。
だから今見ても古く感じないのかもしれません。










