今日は toogood からご紹介を。
名前のとおり“写真家のユニフォーム”をイメージして生まれたジャケットですが、実際の撮影用ディテールを増やすことが目的ではありません。
カメラという道具や現場の空気、そこに立つ人の姿勢——職業が持つ雰囲気の美しさを、服というかたちに落とし込む。
その発想が toogood らしさです。
BRAND: toogood
ITEM: The Photographer Jacket
FABRIC : SOFT WOOL FELT
SIZE: 4.5
COLOR:Flint
PRICE: ¥188,100-税込
ブランドは2013年のスタート以来、Baker や Engineer など様々な職業名を冠した服を発表してきました。
共通するのは、作業着の再現ではなく“背景の温度”まで含めて編集する視点。
道具や動きといった機能の側面だけでなく、職業に向き合う人の佇まい、積み重ねから生まれる空気感を、ラインと生地の選びでそっと掬い上げます。
大きめのフロント/サイドポケットも、荷物を詰め込むための誇張ではなく、そのイメージを符号として残すための存在。
リアルなワークを踏み抜きながら、日常に寄り添うバランスに着地させています。
色は “FLINT”。ほぼ黒に見えるほど濃いチャコールグレーで、完全なブラックにしないことで重さが出すぎません。
凹凸のある生地の表情や、縫いの陰影がきれいに浮き、光の当たり方でわずかに表情が変わります。
ありそうで出会えない、toogood らしいトーン。
素材は WOOL FELT。
フェルトで、手に取った瞬間に落ち着いた光沢としなやかさが伝わります。
ワーク由来の直球な厚ぼったさに寄らず、ジャケットとしての上品さを保ったまま日常使いができる。
この“ちょうどよさ”が、袖を通す理由になります。
立体感のある大ぶりのボタンは、視線の止まりどころをつくる良いアクセント。
ポケットの据え方にもワークの記憶が漂いますが、強すぎない。
機能と見え方の折り合いを丁寧に付けた設計です。
toogood の服づくりはイギリス国内で完結します。
タグには、デザイン、縫製、仕上げに関わった職人のイニシャルが記され、一着ごとに“手の痕跡”が残る仕組み。
使い捨てではなく、時間とともに馴染ませていくという姿勢がここに表れています。
流行の波に寄りかからない、普遍的な服を目指すブランドの誠実さ。
だからこそ、年齢も性別も超えて、着る人の背景と自然に混ざり合う余白が生まれます。
「同じジャケットでも、30代の男性が着るのと、70代の女性が着るのでは、別の空気が立ち上がる」。
toogood が大切にしているのは、まさにその余白です。
ここから、着用時のシルエットを。
肩は大きく落ち、袖は腕のラインに沿ってゆるやかに下りていく設計。
身幅には十分な余白があり、SOFT WOOL FELT のしなやかさが縦方向へきれいに落ちるので、だらしなく広がりません。
前から見たときは縦にすっと、横から見たときは生地が後ろへやさしく逃げ、厚手のニットを入れても膨らみが偏らない。
前を閉じると端正な面が現れ、開けると空気が通る——同じ一着でも着方で見え方が変わります。
オーバーシルエットに振りながら、野暮ったさを感じさせないのは、この素材とパターンの相性の良さゆえ。
ヒップをほどよく覆う着丈で、パンツの太さを選ばず、男性がジャケットとして、女性がオーバーに羽織っても成立するユニセックスのバランスです。
冬場まで想定できる生地感で、アウターとしての着用期間も長い。
日常に置いたときの扱いやすさも、過不足がありません。
ボタンをすべて留めれば制服のように端正にまとまり、前を開けて羽織れば軽さと抜けが出る。
ポケットは手が自然に入る高さと角度にあり、立ち止まらずにものの出し入れができる。
家具のように長く使っても“飽き”が来ない造形を目指す——そんな toogood の姿勢は、服の線の引き方にも、素材の選びにも一貫して感じられます。
「職業」をテーマにしながら、使い手の生活に静かに馴染むこと。
Photographer Jacket はその考えをまっすぐに体現した一着です。
リアルな作業着を再現するのではなく、そこにある空気と姿勢を服へ移す。
だからこそ、時間とともに自分のスタイルに自然に馴染んでいきます。
季節、性別、年齢に縛られず、長く付き合える相棒を探している方にこそ、袖を通してほしい一着です。
ぜひ、この機会にお試しください。
HUES 1st floor
福岡市中央区警固1-15-28 吉浪ビル1F
092-717-6074















