時間を味方につける、未完成の完成形。

HUESに、マルジェラの新作スニーカー“LOVE TO DEATH”が届きました。

BRAND : MAISON MARGIELA

ITEM : LOVE TO DEATH SNEAKERS

FABRIC :

COLOR : Black

SIZE :41.42

PRICE : ¥165,000-税込

 

テーマは「履き続けることで宿る、愛着の痕跡」。

古びた加工を真似るのではなく、使い込まれた記憶そのものをデザインとして可視化した一足です。

まず目を惹くのは、レイヤードされたキャンバス。

重ねた生地の端は切りっぱなし、露出したシームが走り、ところどころにほつれが残る。

そこへエイジングを施したラバートゥキャップとディストレス加工のソールが呼応し、まるで長く履き継いだ靴の“時間の層”が立ち上がります。

偶然の摩耗を装うのではなく、意図した造形として「変化」を最初から設計しているのが、このシューズの面白さです。

アッパーとライニングはコットンキャンバス。

素朴で乾いた手触りに、内装のゴートレザーが静かな贅沢を添えます。

タンの内側にはお馴染みのナンバリングラベル。

マルジェラのヘリテージが確かに刻まれています。

フォームはクラシックなハイトップ。

それ自体は普遍的で、そこに“未完成性”と“時間性”を重ねることで、完成形としての新しさへと着地させています。

“LOVE TO DEATH”の面白さは、完成と未完成の間にあります。

完成度の高い形に、未処理の縁や露出シームを重ねることで、使う人の生活時間がそのまま上書きされていく余白を残す。

傷つくことを推すのではなく、手に入れた瞬間から「自分のものになっていく」過程の美しさを肯定する——

それがこの靴のメッセージです。

単なる加工ではない、「愛着の痕跡」を最初からデザインとして受け入れるスニーカー。

自分の時間で育てる一足を探している方に、おすすめしたい一足です。

 

HUES 1st floor

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