イタリアのデザイナー、マウリッツィオ・アマデイが手がけるm.a+(エムエークロス)。
静かで、削ぎ落とされていて、でもどこか張りつめたような緊張感がある服。
m.a+のアイテムにはいつも、そんな独特の空気が漂っています。
彼のものづくりは少し変わっていて、最初の一歩は“服を学ぶ”ことではなく、“服を作る”ことから始まりました。
レザーのパンツを自分の体に当てて、ピンを打って、縫ってみる。
そこから、シルエットやプロポーションを理解していくという、完全に身体感覚から生まれたアプローチです。
「普通とは違う方法で、シルエットやボリュームを表現したい。」 そう話す彼のスタンスは、今も変わりません。
長く使える。ではなく、“育てていく”一本 そんなm.a+の哲学が詰まっているのが、今回ご紹介するこのレザーベルト。
NAME: leather buckle slim belt (EAX1B )
Fabric:牛革(GR3.0)
Color:BLACK
SIZE:L(幅2cm-全長約140cm)
PRICE: ¥42,900(in Tax)
ベルトというと、実用的なアイテムのひとつですが、この一本には、使う人とともに時間を重ねていくための“余白”がきちんと残されています。
幅は2cm。少し細目のどんなパンツにも自然に馴染む、ちょうどいいサイズ感。
スラックスでも、ワイドパンツでも、さらっと合わせられます。
使われているのは“GR 3,0”というレザー。 これは牛の背中の中心部分(グランルンバ)から取られる、密度が高くてしっかりとした部位で、厚みは3.0mm。
それだけ聞くと、かなりゴツい印象かもしれませんが、触ってみると意外なほど柔らかく、手に吸いつくような質感です。
さらに、革の鞣しにはフルベジタブルタンニンを使用。
化学薬品を使わず、植物由来の成分だけでじっくりと時間をかけて仕上げているので、表面には自然なムラ感やマットな風合いがあり、どこか“生きている”ような雰囲気を感じさせてくれます。
着けはじめは、どちらかというと無口な表情ですが、使い込むうちにオイルが浮き上がって、艶が出てきて、色に深みが出てくる。
いわゆる“プルアップ”と呼ばれるこの変化は、使う人だけが味わえる楽しみです。
剣先には、m.a+を象徴する“+”の刻印が入っています。
ブランド名にも使われているこのクロスは、ただの飾りではなく、「服と人が交わることで初めて完成に近づく」という考え方の象徴です。
ベルトを巻いたときに、剣先を垂らしておくと、トップスの裾からこの“+”マークがさりげなく顔を出します。
主張しすぎることなく、それでいてちゃんとブランドの存在が伝わる。この控えめなバランスもまた、m.a+らしさを感じさせてくれます。
フック式のバックルや剣先を留めるパーツには、SILVER 925が使われていて、すべて手作業で形作られています。
ピカピカに磨かれたシルバーではなく、アンティーク仕上げを施すことで、最初から少し落ち着いたトーンに。
そして、使っていくうちに酸化して色が変わり、深みのある表情に育っていきます。
レザーと同じように、金属も「変化していく素材」として捉えている。
そんなm.a+の視点が、このベルトの細部にも感じられます。
「うちのベルトは、一本あれば十分。ずっと使えるから。」
以前、パリのショールームでマウリッツィオがふと口にした言葉が、とても印象に残っています。
その言葉には、何の誇張もありませんでした。
というのも、彼自身がつけていたベルトは、10年以上使い込まれたもの。
革は体に馴染み、金具は少しくすみながらも美しく、彼の装いに溶け込んでいました。
新品の状態が完成ではなく、使い続けることで、その人だけの完成に近づいていく、それが、m.a+の考える「ものづくり」なのだと思います。
このベルトは、ただのファッション小物ではありません。
日々の服装にそっと寄り添いながら、少しずつ変化していく。
見た目以上に“時間をかけて付き合える”アイテムです。
無駄がなく、必要な機能だけを残したこのベルトには、m.a+が大切にしてきた考え方がそのまま詰まっています。
長く愛用できるベルトを探している方はもちろん、育てる楽しさ”を感じたい方にも、心からおすすめできる一本です。
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