
Isabella Stefanelliが手がける、新たな「HARVEY」。
これまで秋冬に展開されていたハンドニットの型をもとに、今季は彼女自身が織り上げたハンドウーブン生地で再構築された一着です。
ITEM:HARVEY no.17
Fabric:50% li 40%co 5%bamboo 5%soya 5% raffia
SIZE:L
PRICE:¥ask
Isabellaの服作りは、「生地から始まる」。
この一着も例外ではありません。
糸の太さや撚り方、色の組み合わせにまで意識を行き渡らせながら、彼女はアトリエにて一から布を織り上げています。
特に今季は、あまく撚った糸と強く撚った糸を混ぜることで、生地の表面にわずかな起伏と光の陰影を生み出し、目に映る印象にも、触れたときの感覚にも、奥行きが感じられます。
さらに、絨毯に用いられる「オーバーショット」の技法を服地に応用。
構造そのものに織り模様を組み込むことで、視覚的な装飾性と構築性が自然に共存する、唯一無二の表情が宿されています。
裾や袖口には、織り端(セルヴィッチ)をそのまま使用。
布を切らず、自然のままの端を活かすことで、縫製を減らしつつ、布本来の力を服に引き出しています。
生地が解れてしまいやすい裁断部分には、まるで見えないほどの細かな手まつりが施され、洋服全体の完成度を底支えしています。
身幅をゆったりととった丸みのあるシルエットに、深く落ちたショルダーライン。
袖も広めに設計され、リラックスしたバランスながら、着たときには自然と身体に沿って立体が立ち上がります。
外から見ると「ゆとり」、内側から着ると「精緻」。
この二面性は、Isabellaのパターンワークの妙に他なりません。
最低限のパーツで構成されているにもかかわらず、着用時には驚くほど完成された立体構造を描き出します。
サイズはLですが、ジェンダーや体型を問わず、身体の輪郭に呼応するように馴染むつくり。
ニットに近い柔らかさと、ジャケットのような構築性を併せ持ち、羽織るたびにその完成度の高さが伝わってきます。
Isabella Stefanelliの服は、道具的な服飾ではなく、「装うこと」に感性と思考を求めてきます。
糸から布へ、布から形へ。
その全てを自身の手で設計し、縫い、仕立てるこの服は、単なる一着を超えた存在です。
着ることで完成し、時間とともに自分のものになっていく――そんな「服と人との対話」を許す、希有な洋服です。