11月30日にデザイナー ジェフリー B.スモールがHUESに来店しました。
その時に、皆様にジェフリー B.スモールについてもっと知ってもらうきっかけになればと思い、
HUESでインタビューを行いましたので、是非ご覧ください。
HUES:それでは、インタビューを始めます。
まずはじめに、洋服を作る上であなたにとって一番大事なことは何ですか?
Geoffrey:私は、服作りは非常に古い職業だと考えています。
人々にとっての料理人や家を建てる大工、医者と同じくらい重要だと思っています。
昔は服は外的要因から身を守る最初の家であったと思います。
私たちは常に内側から外側に向けてデザインをします。
見た目を考える前に着たときの感触を意識するのです。
それが私たちの出発点であり、だからこそ製造プロセスのあらゆる側面をコントロールすることにこだわっています。
私たちは生地、構造、扱いにこだわっています。
このアプローチは、今日のほとんどの洋服の作り方とは違うでしょう。
皆は外側から内側にデザインを広げようとするので、
私たちの目標は、長持ちする着やすく着心地の良い服を作ることです。
その結果、見た目も良い洋服が出来上がる傾向があります。
洋服は人間同士、作り手と着る人との間のつながりだと思います。
でもこのつながりはこの200〜300年の間に失われかけてきています。
私たちはこのつながりを取り戻そうと努力しています
なので洋服を作るときには、常にそれを着る人のことを考えるようにしています。
その着る人個人に対して敬意を持ち、その洋服を着ている間にその人が経験するであろうことを想像します。
これが私の思う服作りの一番重要なところです。
HUES:あなたの商品は、タグまで全てあなたのCVARZEREのアトリエで作られていますが、
アトリエメイドにこだわる理由は、何ですか?
Geoffrey:私にとって服作りは芸術なんです。
私は絵画や彫刻を服作りを全く別物だとは考えていません。
絵画も服作りでも偉大な芸術完成させるためには、
制作過程の全ての側面をコントロールする必要があります。
ダヴィンチや他の偉大な芸術家が独自の絵の具や色を作ったように、
服作りだからといってそこに大差はなく完璧なものを作るためにはすべてをコントロールする必要があると考えます。
これは品質だけの問題ではなく芸術的なコントロールで本当に美しく特別なものができるのです。
そのためには1か所で熟練の職人が協力して作る必要があるのです
服作りはとても人間的なんです。
HUES:これまで多数の洋服たちをデザインしてきたと思いますが、その中で特に思い入れのある洋服を教えてください。
Geoffrey:その質問にはピエール・カルダンの「次の作品」とうい答えを借ります
昨年私のアトリエでは約1,800点の作品を制作しましたが、どれも違って全て唯一無二の作品です。
私は常に今作っている作品と次に作る作品のことを考えています。
どの作品も私にとっては思い出深いものでそれが私たちが最も考えていることです。
HUES:Geoffrey B.Smallは、パリでランウェイを行ったり、シーズンによってテーマ性を持たせたり、アバンギャルドだったりと、
あなたのブランドからモードを感じますが、あなたにとってモードとは何ですか?
Geoffrey:今はカテゴリーになってしまいました。
私にとっては新しい価値観ですが、長い間、衣料品業界は変化し進化しるという意味を持っていたからです。
今はある一部のカテゴリー、ブランド、デザイナーがモードとして見なされているでしょう。
10〜15年なにも変わっていないものまでモードというようになったと感じています。
私にとって真のモードやアバンギャルドとは、先を見据えることです。
30〜40年後も見据えられるように研究を続けています。
その結果20年、25年、さらには30年後もき続けられる意味のある作品を作ることができているのです。
HUES:あなたの持つHUESについてのイメージを教えてください。
Geoffrey:前回福岡に来たのは随分前ことでHUESができる前で約15年前でした。
当時はHUESの前のお店で、多くの人が覚えているお店でした。
そこで働いていた人の中にはHUESをはじめ、Le Bergeなど今も関わっている人が多くいます。
HUESは、今でも当時の伝統の多くを引き継いでいますが、HUESは明らかに独自のアイデンティティへと進化しています。
同じビルの4フロア、さらに隣のビルのギャラリーも占めているのにはびっくりしました。
HUESのチームは、成長しながらも福岡で重要な伝統を継承してます。
福岡は、日本だけでなく世界でも素晴らしいデザイン市場の一つであった歴史があります
私の日本での最初のお客さまは福岡の方でした。1994年に福岡の店からGBSの日本での活動はスタートしました。
東京でもなく、大阪や名古屋でもなく福岡だったんです。
ジェフリー・B・スモールとパリコレクションの最初の日本人バイヤーは福岡のかたでした。
福岡には深い歴史と伝統があります。
その伝統が継続していること、そして自分がその一部であることはとてもうれしいことです
HUESがGBSのために作ったHUES 3rd floorの空間は
私たちにとって大きな名誉であり、とてもうれしいことです。
HUES:最後に、あなたの洋服を購入してもらった方に、その洋服にどのように接して欲しいか教えてください。
Geoffrey:私たちが作る全ての作品の目標寿命は少なくとも25年です。
私たちは1つの作品に平均して60〜100時間を費やしています。
ひとつの作品にかけるにはかなりの時間と労力ですよね。ですからこの時間が長く使えるものを生み出すことが重要なんです。
GBSの作品は最初は高価だと思う人もいるかもしれませんが、
10年15年と長く気持ちよく着たいと思えたり愛用し続けられるということは計り知れない価値を持つものになります。
私たちの作品のあらゆるパーツとデザインは長持ちするように作られています。
これを私たちは、「長期設計」と呼んでいます。
それは真の意味で前衛的であり、時代を超えた革新性を持ってる作品だからこそ
25年後もデザインが時代遅れにならないんです。
それは一時的な流行ではなく、GBSの作品のオーナーには作品を大切しながらたくさん着ていただきたいです。
私たちの作品を使っていただくと、いかに使いやすく着心地が良いものだとすぐに分かっていただけると思います。
だからGBSのお客さまは1つの作品をもつと、ワードローブ全体をGBSの作品で作り始めるんだと思います。
なぜならそれが理にかなっているから。
今後一生着続けていただく洋服と思っていただいて、さらに次の世代に受け継げるものと考えて欲しいです。
GBSの作品は簡単に調整、修理ができるような設計にしています。
すなわち仕立て屋が簡単に開いけるようにしているんです。
今日の服たちはそれらを念頭に置いて作られていないでしょう。
なぜなら今日の服の多くが仕立て屋ではなく工場で作られているためです。
工場で作られる洋服と仕立て屋の作る洋服は全くの別物です。
私たち仕立て屋はお客さまが年を取るにつれて体型が大きくなったり小さくさることまで考えるので、
そんな時は私ではない他の仕立て屋がその服を調整することもあるでしょう。
私たちはお客さまだけではなく仕立て屋のことまで考えて洋服を作っています。
生涯にわたって着ていただくために他の仕立て屋のことも考えるようにしているんです。
ですので、長く愛用してほしいです。
HUES:ありがとうございました。
現在、HUESでは、Geoffrey B.Smallの最新アイテムを発売中ですので、
是非、こちらも合わせてご覧ください。
※Geoffrey B.Smallのアイテムは、ブランドの以降によりお値段を掲載しておりません。
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