
今日はGEOFFREY B. SMALLからご紹介します。
ITEM:assymetric swing back exaggerated volume American style workshirt
FABRIC:hand dyed L.Parisotto "Jeff Geo" 61% hemp 39% silk textured stripe
COLOR:hand dyed black
SIZE:One size
Geoffrey B. Smallのシャツジャケット。
素材から縫製、染色、仕上げまで、すべてにおいて人の手による丁寧な工程を重ねた特別な一着です。
アメリカンワークシャツをベースにしながら、背中にかけて大きく広がるスウィングバック仕様。
左右非対称なカットやバックベントの設計によって、着用時には独特の動きと立体感が生まれ、
シャツともジャケットとも言えない、Geoffrey独自のバランスを持ったシルエットに仕上がっています。
生地には、イタリア・ヴィチェンツァ州の機屋「Luigi Parisotto」が手がけた、シルクとヘンプをブレンドした新開発の素材を採用。
ヘリンボーンとブロークンツイルを組み合わせたストライプ織りが、光や動きによって奥行きのある表情を生み出します。
しなやかさとほどよいハリ感、そして素朴な風合いが混ざり合ったこの生地は、繊細でありながら力強さを感じさせます。
この生地を、GBSのヴェネツィア・カヴァルツェレにあるアトリエにて、10時間以上かけて一着ずつ手染め。
手間と時間をかけて染め上げられた深いダークトーンには、ムラや陰影が現れ、量産品にはない揺らぎと個性が宿っています。
背面は、縫い目を使わずに裁断と成形だけで仕上げた独自のベント仕様。
生地が自然に体に沿いながら動きに合わせて揺れる構造は、Geoffreyのテーラリング技術の高さを象徴しています。
また、ポケットやショルダー、ヨーク周りにはCARIAGGI社のピュアカシミア糸によるハンドステッチが施され、細部にまで手仕事の美しさが宿っています。
ボタンは、イタリア・パルマの職人Fontana夫妻がこのシャツのためだけに製作したリアルホーンボタンを使用。
ひとつひとつが手作業によるもので、わずかに表情の異なる質感が、服全体の印象を豊かにしています。
ボタンホールは、ミラノのBozzolo Realeによる純シルク糸で手縫いされ、ひとつのホールにつき約10分をかけて丁寧に仕上げられています。
そしてこのシャツが持つ魅力の一つが、その独特なシルエットです。
肩幅と身幅にはゆとりをもたせつつも、過度にルーズになることはなく、生地の落ち感と自然なドレープが際立つ絶妙なバランス。
袖はやや短めに設定されており、手首まわりを軽やかに見せ、インナーとのレイヤードにも適しています。
裾はスクエアにカットされていて、ワークウェアのルーツを思わせるディテールを、洗練された印象へと昇華させています。
着用すると、ジャケットのような構築性と、シャツの軽やかさが同時に感じられます。
前を閉じて一枚で着れば端正な佇まいに、開けて羽織れば柔らかな動きと空気を含んだシルエットが際立ちます。
着るたびに、静かにその魅力を深めていくような存在です。
単なるシャツやジャケットではなく、職人の手と時間、哲学が詰め込まれた“思考する服”とも言える一着です。
時間の経過とともに、その価値と存在感がじわりと滲み出てくる、そんな洋服を探している方へ。
ぜひ店頭にて、袖を通してその奥行きを体感してください。
HUES 3rd floor
福岡市中央区警固1-15-28
092-717-6074