今シーズンの Geoffrey B. Small より、HUESのためだけに世界で2枚だけ製作された、
Geoffrey B. Smallの新型シャツジャケットが届きました。
ITEM: assymetric swing back exaggerated volume American style workshirt
FABRIC: Luigi Parisotto 73% linen, 27% silk
COLOR: hand dye black
SIZE: ONE SIZE
アメリカンワークシャツをベースにしながら、ジャケットのような構築性を持たせた一着。
Geoffreyが長年積み重ねてきたテーラリング研究の延長線上で生まれたデザインであり、ワークウェアの実用性と、仕立て服の繊細さが静かに交差しています。
まず、この服に触れた瞬間に感じるのは、驚くほどの軽さです。
使用されているのは、イタリア・ヴィチェンツァ州サルチェードの老舗ファブリックメーカーLuigi Parisotto(ルイジ・パリソット)社 がGeoffreyのためだけに織り上げた特別な“Superleggero”ファブリック。
シルクとリネンを組み合わせたアンティークストライプのテクスチャードクロスで、“Superleggero”という名前の通り、空気を纏うような軽やかさを持っています。
ただ、それは単に薄いという意味ではありません。
シルク特有の滑らかさと、柔らかな光沢。
そこにリネンの乾いた質感や自然なムラ感が重なり合うことで、生地の表面には奥行きのある陰影が生まれています。
どこかアンティーククロスのような趣を感じさせながらも、実際に袖を通すと驚くほど柔らかい。
肩の力を抜いて羽織れる軽快さがありながら、生地そのものには静かな存在感があります。
さらに、この生地にはGeoffreyの工房でハンドダイが施されています。
イタリア・カヴァルツェレのGBSスーパーワークルームにて、8時間以上もの時間をかけて行われる染色工程。
それは単なる色付けではなく、生地に表情を与えていくような作業です。
何層にも色を重ねながら、陰影や柔らかさ、そして独特のパティーナをゆっくりと作り上げていく。
そのため、一着ごとに色の濃淡や空気感は微妙に異なります。
均一ではないこと。
むしろ、その揺らぎこそが、この服が人の手によって作られている証でもあります。
デザインのベースとなっているのは、クラシックなアメリカンワークウェア。
しかし、Geoffreyの服作りは、ヴィンテージをそのまま再現するようなものではありません。
ワークウェア特有の無骨さを残しながらも、テーラリングによって輪郭を整え、独自のエレガンスへと昇華しています。
特に印象的なのが、縫製の美しさです。
全ての縫製は、シングルニードルによるダブルステッチ仕様。
一般的なダブルニードルミシンで縫い上げる方法に比べ、何倍もの時間と手間を必要とする非常に贅沢な工程です。
ですが、その分だけ縫い目には繊細な表情と柔らかさが宿る。
工業的な均一さではなく、手仕事ならではの静かな温度が感じられます。
裏側の仕立ても圧巻です。
縫い代は全て丁寧なフレンチシームで処理されており、裏返した時ですら美しい。
表から見える部分だけではなく、見えない場所にまで意識を行き届かせる。
Geoffreyの服には、そうした誠実なものづくりの姿勢が一貫して流れています。
また、ボタンにも特別な背景があります。 使用されているのは、イタリア・パルマの伝説的ボタンメーカーによる、Geoffrey専用のハンドダイ・リアルコロゾボタン。
天然素材ならではの有機的な質感に、独自の染色を重ねることで、深みのある表情へと仕上げられています。
さらにブランドタグにまで、その思想は貫かれています。
採用されているのは、プラスチック繊維を一切使用しない特別なピュアシルクラベル。
そして、それすらもシルク糸を使い、手作業で縫い付けられています。
普通であれば見過ごされてしまうような細部にまで意味を持たせる。
その積み重ねによって、Geoffrey B. Smallの服は成立しています。
そして、そのボタンを留めるボタンホールは、全て手縫い。
使用されるのは、ミラノの老舗による高級シルク糸です。
一つのボタンホールを仕上げるだけでも、10分以上もの時間が必要になるという、途方もない手仕事。
効率だけを考えれば、決して選ばれることのない工程です。
それでもGeoffreyがそこに時間を費やすのは、完成した時にしか生まれない“空気”があることを知っているからだと思います。
実際に着用すると、このシャツジャケットの魅力はさらに際立ちます。
特徴的なのは、たっぷりとしたボリューム感。
身幅にはしっかりとゆとりを持たせながら、不思議なほど自然に身体へ馴染んでいくシルエットに仕上げられています。
肩から裾にかけて生まれる柔らかなドレープ。
歩くたびに生地が空気を含みながら揺れ動き、“Superleggero”特有の軽さと陰影がより美しく浮かび上がります。
また、スクエアカットのハーフスリーブも印象的です。
一般的な半袖シャツとは異なり、どこかジャケットのような構築感があり、ラフさと上品さが自然に共存しています。
裾には美しいスウィングヘムを採用。
横から見た際にも立体的なラインが生まれ、スタイリング全体に奥行きを与えてくれます。
Tシャツの上から軽く羽織るだけでも雰囲気が出る一方で、ボタンを閉じれば静かな緊張感も生まれる。
ワークウェア由来の粗野な空気と、イタリアンテーラリングの繊細さ。 その相反する要素を、Geoffreyは驚くほど自然に共存させています。
半袖シャツとも違う。 ジャケットとも少し違う。
その曖昧さこそ、この服の面白さです。
着る人の感覚によって表情を変え、時間とともにさらに深みを増していく。
世界で2着のみという希少性だけでは語りきれない、
Geoffrey B. Smallというデザイナーの思想、技術、そしてものづくりへの執念が静かに詰め込まれた一着です。
HUES 3rd floor
福岡市中央区警固1-15-28吉浪ビル3F
092-717-6074
















