すべては、一反の生地との出会いから始まりました。
Geoffrey自身がイタリアの生地屋で見つけてきた希少なチェック柄のデッドストックファブリック。
その生地は、イタリアの老舗生地メーカー「Marzotto(マルゾット)」社によって1990年代に織られたものでした。
1836年創業、イタリア随一の歴史と規模を誇るMarzottoは、長年にわたりウール素材の名門として名を馳せてきました。
特にこの時代のMarzotto製ファブリックは、現在では再現が難しい糸使いや織りの構造を持ち、クラシックでありながらどこかモードなニュアンスを宿しています。
Geoffreyが感じ取ったのは、まさにその“時代の響き”でした。
それから数ヶ月後、Marzotto社のその特別な生地は、Geoffreyの手によって4つのアイテムへと姿を変えました。
それが今回入荷した、HUESだけのために製作された特別なアイテムです。
展開されるのは2種類の生地。
ひとつはグレイのチェック柄。
素材はウール100%。しっとりと落ち着いた質感に、ほんのりと青みがかったトーンが美しい一枚です。
表情の奥行きがありながらも重さを感じさせず、見る角度や光の加減でニュアンスが変化する繊細なファブリック。
もうひとつはブラウンベースのチェック。
こちらはウールに加えてシルクとキャメルヘアをブレンドした素材で、起毛がかった表面にやわらかさと温もりが漂います。
光にかざすとわずかに艶が浮かび上がるこの生地は、包み込むようなやさしさも感じさせてくれます。
素材の違いによって異なる個性を持ちながらも、それぞれの生地が持つ魅力を最大限に引き出すのは、
Geoffreyならではの構築的なパターンと、細部にわたる丁寧な手仕事による縫製です。
今回はこれらの希少な生地に合わせて、あえて代表作とも言える3型をお願いしました。
まずは、「フィッシャーマンコート」。
ブランドを象徴するアイテムのひとつであり、肩や腕の動きに合わせて自然に広がる構造が特徴です。
クラシックなテーラード技術に裏打ちされたこのコートは、チェック柄の配置や生地の落ち方にも計算が施され、単なるパターンではなく“服の空間”そのものがデザインされています。
生地の陰影が立体的な構築美をより際立たせており、着ることで初めてその奥行きを体感できる一着です。
次に、「スーパージャケット」。
グラバットタイ付きのこのモデルは、ややゆとりのあるフィッティングに、ドレスとカジュアルが交差するような空気感を宿しています。
Geoffreyならではのテーラリングと素材選びの妙が光るこの一着は、 クラシックでありながら現代的な装いにもフィットする絶妙なバランスを持ち、 まさに“日常の中のラグジュアリー”を体現したアイテム。
現代におけるジャケットの新たな可能性を追求し、 従来の枠にとらわれない革新的なスタイルとして提案された一着です。
ジャケットでありながら、ブルゾンのような自由な着心地を実現したこのアイテムは、 "Super Jacket" と名付けられました。
選び抜かれた生地本来の風合いや、 テーラーとしての繊細な技術を存分に感じていただける仕様に。
そして最後は、「 2タックワイドパンツ」
ゆったりとしたワイドシルエットながら、裾に向かって緩やかに絞り込まれていくこのパンツは、身体の動きに合わせて柔らかく波打ち、自然なドレープを生み出します。
特に印象的なのが、Geoffrey独自の“サイドカーブ”と呼ばれるパターン構造。
まっすぐ落ちるのではなく、側面にカーブを描くように設計されたラインが、立体的で奥行きのあるシルエットを生み出しています。
まるで布が空気をはらみながら動いているような印象です。
そして、そのシルエットの上に重なるチェック柄。
ただ形が美しいだけでなく、動きの中で完成されるように設計された構造です。
このシリーズが“Geoffrey B. Smallらしい”と感じられるのは、単に希少な素材を使っているからではありません。
それは、素材の背景までも含めた「物語」を、ひとつの服の中にきちんと宿しているからです。
Geoffreyは、素材を見る目においても、デザインにおいても、非常に倫理的であり、また哲学的です。
彼が選ぶ生地には「誰のために使うか」という文脈が必ず存在しており、今回のMarzottoチェックにおいても、
「信頼するお店、そこに集う顧客のためにこの素材を使いたい」と、当初から明確に語っていました。
それは、いわゆる“エクスクルーシブ”という枠を超えた、思想と信頼に基づいた創作。
HUESとGeoffrey B. Smallの関係性が長く続くのも、こうした姿勢の共有があるからこそです。
このチェックシリーズは、世界でHUESでしか手に入らないアイテムです。
本当に価値あるものを、時間を超えて残したい。そんなGeoffreyの想いと、HUESという場が交差したときに生まれた、特別なアイテムです。
“今”だからこそ、袖を通してほしい一着です。
HUES 3rd floor
福岡市中央区警固1-15-28
092-717-6074




















