アルチザンブランドが好きな人ほど、夏でも長袖を着る。
袖をまくって着たり、リネンや薄手のコットンを選んだり。暑さよりも服の雰囲気を優先する人は少なくありません。
長袖だからこそ生まれる布の動きや袖の落ち方。その空気感もアルチザンスタイルの一部です。
実際、それもこのスタイルを楽しむ醍醐味でした。
ただ、ここ数年の夏は少し事情が変わってきました。
以前なら「暑いけど着られる」くらいだったものが、今では日中に長袖を着続けること自体が難しい日も珍しくありません。しかも暑い期間が長い。
そうなると、これまで長袖一択だった人たちも自然と半袖へ手が伸びるようになります。
面白いのは、実際に着てみると想像以上にしっくりくることです。
アルチザンブランドのショートスリーブシャツは、一般的な半袖シャツとは考え方が少し違います。
「涼しい服」を作ろうとしているわけではなく、そのブランドが長年積み重ねてきたパターンや素材作りを、そのまま半袖という形に置き換えています。
だから半袖になっても、服の空気が変わらない。
布が落ちる様子や肩の収まり、少しゆとりを持たせたシルエットまで、長袖と同じ延長線上にあります。
今回ご紹介するcalmlenceのショートスリーブシャツも、まさにそんな一着です。
CLASSIC OPEN COLLAR SS SHIRT /SHIRT044 /¥64,900
クラシックなオープンカラーに、程よくゆとりを持たせたボックスシルエット。
背中には身体の動きに沿うようカーブしたヨークとボックスプリーツを備え、見た目だけでなく着た時の動きまで丁寧に設計されています。
一見するとシンプルですが、袖を通すと身体との距離感がとても自然です。
そして、このシャツで最も印象的なのは生地です。
calmlenceのリネンは、やはり特別です。
経糸、緯糸ともに80番手の極細リネンを使い、静岡・遠州でゆっくりと織り上げています。
織る際には経糸へ水溶性ビニロンを巻き付け、ワッシャー加工後にそれを溶かすことで、リネンとは思えないほど柔らかく、ふっくらとした質感を生み出しています。
さらに麻の加工を得意とする近江の工場で、染色前にシルケット加工を施すことで表面を整え、その後に染色。
リネン特有の粗さを残しながらも、どこか滑らかな肌当たりがあります。
文章で説明するより、触ってもらう方が早い生地です。
「リネンってこんなに柔らかかったかな」と思うはずです。
仕上げには製品洗いと天日干し。
均一ではない自然なシワや表情が生まれ、水牛ボタンには焼き加工を施すことで、陶器のような少し乾いた質感になっています。
こういう細かな積み重ねが、着込んだ時の雰囲気につながっていきます。
着用すると、身体との間に自然な空間が生まれ、リネン生地が風を含みながら柔らかく揺れます。
半袖でありながら軽く見えすぎず、長袖のアルチザンシャツを着た時と同じような布の落ち方や空気感を楽しめる一着。
暑さを我慢するためではなく、この時期だからこそ積極的に着たくなるショートスリーブシャツです。
半袖だから軽く見える。
そんな印象は、このシャツにはありません。
暑さはしっかり逃がしながら、アルチザンブランドらしい布の重みや空気感はそのまま残っています。
夏だから仕方なく半袖を選ぶのではなく、この時期だからこそ着たくなる半袖。
そんな一着だと思います。
HUES 2nd floor
福岡市中央区警固1-15-28 吉浪ビル2F
092-717-6074








