今日はANNからご紹介を。
今季のスタイリングの軸とも言えるスニーカーシリーズ。
クラシックなキャンバススニーカーをベースにしながら、ANNらしい削ぎ落とされたフォルムへと再構築された一足です。
SARIN VULCANIZED MID-TOP SNEAKERS /¥108,900
一見すると、誰もが知るクラシックなキャンバススニーカーのフォルム。
しかし実際に目にすると、その印象は大きく異なります。削ぎ落とされた線、抑制されたディテール、そして全体に漂う静かな緊張感。
それらすべてが、ANNらしい「ダーク・ロマンチシズム」を体現しています。
アッパーにはカーフスエードを採用。柔らかく、わずかに起毛した質感は光を穏やかに受け止め、黒という色に奥行きを与えています。
過度な装飾は一切なく、アイレットやステッチも極めてミニマルに整えられているため、素材そのものの質感が際立つ設計です。
その一方で、足元を支えるソールには、厚みのあるバルカナイズドラバーを採用。
視覚的にはしっかりとしたボリュームを感じさせながら、実際の履き心地は軽やか。
この“視覚と体感のズレ”こそが、この一足の魅力です。
クラシックな製法でありながら、現代的なシルエットへと昇華されています

ヒールにはブランドネームを刻んだパッチとリベットディテール。
控えめでありながらも、確かにANNであることを示すサインです。
こうした“語りすぎない意匠”も、このブランドの美意識のひとつです。
また、実際の着用を想像すると、このスニーカーのバランスの良さがより明確に。
細身のトラウザーズにはもちろん、ワイドパンツやドレープのあるボトムスとも自然に馴染む。
ボリュームを持たせたソールが、全体のシルエットに安定感をもたらし、スタイリングに静かな重心を与えてくれます。
近年のスニーカートレンドに見られる過度なボリュームや装飾性とは一線を画しながらも、その文脈はしっかりと踏まえている。
ストリートとモード、そのどちらにも寄りすぎることなく、あくまでANNのフィルターを通して再構築されている点に、この一足の価値があります。
ブーツほどの重さはなく、レザーシューズほどの緊張感もない。
しかし、その中間に位置することで生まれる新たな選択肢。
日常に取り入れやすく、それでいて確かな個性を持つ。
SARIN VULCANIZED MID-TOP SNEAKERSは、単なるスニーカーではなく、スタイリング全体の空気を整える“基点”のような存在。
今の気分と、ANNが長年培ってきた美意識。
その交差点に立つ一足として、今季のワードローブに欠かせない存在です。







